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(この記事は2020年8月発行「EMSマガジン第26号」の一部内容です)
法律家 橋本雄太郎からのメッセージ
「理解を深める第一歩」
講義やセミナーにおいて、質疑応答の時間を設けています。そこで感じるのは、一方的に話を聞いているだけでは十分な理解が得られない虞もあり、また、せっかくの機会を活用できないまま消化不良の状態で終わってしまうことになりかねません。どんな質問でも、出されることに喜びを感じるのが、演者の気持ちと言い得ます。
ただ、正直申して少し気になるのは、必ず出るステレオタイプの質問を受ける瞬間です。私が、DVDを制作する契機になったのも、そこにあります。そして、その時間を、ほかの有意義なことに使いたいと考え、事前にDVDをご覧いただいて、ポイントを掴んでいただいてから聞いて頂く方が理解も早まるし、深まり、さらに発展した、あるいは付随した疑問に関して質問が出るようになるのではないかと考えたからです。いわゆるe-learningの効果を期待したのです。
誤解のないように申し上げますが、勿論、質問される方は、リピーターではなく、初めての方です。初めて、相当なプレッシャーの中で、日頃悩んでいること、疑問に感じていることを、手を挙げて質問されるのです。その姿勢には、頭が下がります。勿論、文章が稚拙な上に、専門用語や専門的な言い回しが少なからずあり、理解しにくいことは認めます。
ただ、これらの本で論じられているのと、ほとんど変わりない内容の質問をされてくる、ということがあるので、例えば、難しい専門用語や言い回しも含めて、このメルマガを通して、身近な、簡便な手段で、日頃感じておられる疑問を解消しようと考えています。
そして、すでに活字になっているものに関しては、読んでみたがここのところが分からなかった、さらに発展していった場合の対応等、次のスッテプに繋がっていく、質問、疑問をぶつけてきてほしいと、私自身は思っています。
そうなれば、一歩進んだ議論が可能になるものと考えます。そのために、繰り返しになりますが、より一層理解のお手伝いになるツールとしてDVDシリーズを出し、メルマガを発行することにしました。
恐らく、このようになってしまう要因として想像していることがあります。すなわち、講義、セミナー等に参加された方は話を聞いてご理解いただいているが、それを職場の仲間等に伝えることをしていない、あるいは、そこでの質疑を踏まえた仲間との議論をする機会を設けていない、など裾野を拡げる機会や、復習する機会がないのではないかということです。
例えば、消防学校や救急救命士養成課程では教えていない、しかし、的確に書いていなければ命とりになる、救急活動記録票の書き方、に関していえば、私が講義やセミナーで指摘した点を踏まえて、講義等で示した学習モデルを参考に、仲間と随時、不定期に、具体的に自分たちが体験した事案に関して、勉強会を開いていれば、こうした問題は克服でき、さらに発展した議論ができると考えています。
各種研修会、セミナーに参加される機会が多いと思いますが、その場で終えてしまうのではなく、仲間に伝えてみる、自主的勉強会を開くなどして、いわゆる復習や確認をする機会を設けることにより、より一層理解が深まり、身についてくるものと思います。実際に、仲間に伝えてみる、ということの学習効果は計り知れません。そして、そうすることにより、さらに新たな疑問がわいてきて、質問したくなってくるのではないかと思います。期待しています。
また、閲読した専門者や聴講した講義内容等で使われていた専門用語で理解しにくいものがあった場合には、すぐに辞書、事典を開いて確かめるようにしましょう。それが理解を深める第一歩です。
プレホス寺子屋「橋本塾」
本塾の意味、意義、役割
日常の救急現場活動において感じる疑問や不安を、法的視点を踏まえた上で、塾生の皆さんと忌憚のない意見交換をしながら「考える」ことで、疑問や不安をできる限り解消し、的確な対応を実施することで、安心安全な職場環境を自律的に確立していくことが可能になります。この安心安全な活動を確保することが、「塾」の目的です。
「塾」は、教えるものと学ぶ者が互いに切磋琢磨し、議論し合うことで理解を深める場所です。新たな気づき、発見もあります。この目的から、「新しい生活様式」にそった「WEB方式」で、居ながらにして学べる、身近な存在として、場を提供することにしました。
救急活動の紛争予防オンラインマガジン
「考える」救急隊員になってほしい
「考える」救急隊員になって欲しい。そんな思いの詰まった法律家、橋本雄太郎のオンラインサイト「EMSマガジン」。救急活動をめぐる法律問題の第一人者だからこそ、救急隊員にとって不可欠な、直面する法律問題を具体的に指南できる。『EMSマガジンを読んでいれば・・・』という後悔をなくして欲しい。EMSマガジンは、救急現場で紛争に巻き込まれたときに、「勝つ」ためにしておくこと。そもそも紛争を起こさせないために、どうすればよいのか。救急活動の不安解消させる「考える救急隊員」を育てるマガジンです。
※EMSマガジンは2021年4月にプレホス寺子屋『橋本塾』オンラインに統合しました。
プロフィール

法律家
橋本雄太郎
(ハシモト ユウタロウ)
慶應義塾大学法学部卒業
杏林大学総合政策学部教授を経て、同大学院国際協力研究科客員教授
現在、救急活動法務研究所を主宰。
~コメント~
病院前救護及び救急医療をめぐる法律問題、災害時の法律問題を主たる研究対象にしています。杏林大学教授として刑事法・医事法を講義してきましたが、約25年前から、消防大学校、救急振興財団東京研修所・九州研修所、各消防本部消防学校等で講義を行い、各地のメデカルコントロール協議会や消防本部の主催する研修会、関連学会等で講演等を頻繁に実施しています。国や自治体の設置する委員会委員も数多く拝命してきました。
主著として『病院前救護をめぐる法律問題』、『救急活動をめぐる喫緊の法律問題』、主編著として『救急活動の法律相談』等があります。
主著
『病院前救護をめぐる法律問題』 (東京法令出版)
『テキスト 救急活動の法律問題』 (荘道社)
『救急活動をめぐる喫緊の法律問題』 (東京法令出版)
主編著
『救急活動の法律相談』 (新日本法規出版)
DVD
『救急隊員に必要な法律基礎知識』 (新日本法規出版)
『救急活動の法律相談シリーズ 全6巻』 (新日本法規出版)
