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(この記事は2019年8月発行「EMSマガジン第14号」の一部内容です)
法律家 橋本雄太郎~時論~
「ラジオに出演 -DNARについての動向と市民の反応」
~EMSマガジン第14号より~
2019年7月3日総務省消防庁は、救急現場で心肺停止状態となった傷病者の蘇生措置に際し、家族からDNARを示された時の対応について、現段階では統一基準の策定は困難との報告書をまとめたと発表しました。
この発表を受け、早速、名古屋のラジオ局の「CBCラジオ」(聴取できる地域は、愛知県、岐阜県、三重県だそうです)から、この問題に関する解説の出演依頼が来ました。毎週土曜日の朝9時から生放送している「北野誠のズバリサタデー」という番組の中の「今週のここ掘れニュース」というコーナーでの約10分のインタビューという依頼でした。
依頼時から、担当ディレクターの方とのやり取りが始まり、放送前日の夜に、構成作家が書いたシナリオがメールで送られてきました。
内容は、ディレクターの方とお話ししていたものを前提に書かれていたので問題はなく、生放送でフリートークのような形式で進行するといわれていましたが、ラジオ業界というのは、フリートークと言いながら、このようにセリフがおおまかに決められていて作られるのだと理解し、本番に臨みました。
しかし、本番では、台本通りだったのは、最初と最後だけ。北野さんの機転の利いたアドリブ質問で進行しました。
台本と、筋書きは、それほどかけ離れていませんが、北野さんの、子供の頃にはかかりつけ医が近所にはいたという話や、80歳の自分の母親の話などを交えながら、私の言いたいことを、わかりやすく説明できるように上手に引き出して頂きました。
おかげさまで、これまで論文等で展開していた持論を、一般の聴取者の方にもお届けできたものと感謝しています。番組終了後、ディレクターの方から、わかりやすく解説して頂きましたとおっしゃっていただけました。
放送の中でも紹介して頂きましたが、9月から岐阜県で、この問題についての検討が始まり、その委員に任命されている関係もあって、岐阜県庁の担当者に連絡して、岐阜県はもとより、愛知県、三重県の関係者の方々にも放送されることを伝えて頂きました。
読者の皆さん、とくに救急隊員の方々は、この問題に日常的に遭遇し、ご苦労されていると思います。そして、各消防本部も、地域MC協議会の意見を聞きながら、活動基準を考えていくものと想像します。
しかし、もっとも大事なことは、無用な紛争を防止するために、また、DNARが書かれてあったとしても、咄嗟のことで119番通報をしてしまった家族の方が悩まないためにも、CBCラジオの企画のように、一般市民がこの問題を考える契機を与えるような企画を報道機関がどんどん設け、徐々に国民のコンセンサスが得られるような積み上げをしていくことが必要で、問題解消のための、遠回りに見えて実は近道であるように感じています。
人の生死に関する問題で、国民のコンセンサスを完全に得ることは難しいにせよ、無用な混乱、紛争を防ぐためには、一人一人の国民が考えられるような、的確な情報をできるだけ流していくことが、この問題解消のためには大切な方法だと思っています。そういう考えから、私は、ラジオ出演しました。
プレホス寺子屋「橋本塾」
- 本塾の意味、意義、役割 -
日常の救急現場活動において感じる疑問や不安を、法的視点を踏まえた上で、塾生の皆さんと忌憚のない意見交換をしながら「考える」ことで、疑問や不安をできる限り解消し、的確な対応を実施することで、安心安全な職場環境を自律的に確立していくことが可能になります。この安心安全な活動を確保することが、「塾」の目的です。
「塾」は、教えるものと学ぶ者が互いに切磋琢磨し、議論し合うことで理解を深める場所です。新たな気づき、発見もあります。この目的から、「新しい生活様式」にそった「WEB方式」で、居ながらにして学べる、身近な存在として、場を提供することにしました。
救急活動の紛争予防オンラインマガジン
「考える」救急隊員になってほしい
「考える」救急隊員になって欲しい。そんな思いの詰まった法律家、橋本雄太郎のオンラインサイト「EMSマガジン」。救急活動をめぐる法律問題の第一人者だからこそ、救急隊員にとって不可欠な、直面する法律問題を具体的に指南できる。『EMSマガジンを読んでいれば・・・』という後悔をなくして欲しい。EMSマガジンは、救急現場で紛争に巻き込まれたときに、「勝つ」ためにしておくこと。そもそも紛争を起こさせないために、どうすればよいのか。救急活動の不安解消させる「考える救急隊員」を育てるマガジンです。
※EMSマガジンは2021年4月にプレホス寺子屋『橋本塾』オンラインに統合しました。
プロフィール

法律家
橋本雄太郎
[ハシモト ユウタロウ]
~コメント~
病院前救護及び救急医療をめぐる法律問題、災害時の法律問題を主たる研究対象にしています。杏林大学教授として刑事法・医事法を講義してきましたが、約25年前から、消防大学校、救急振興財団東京研修所・九州研修所、各消防本部消防学校等で講義を行い、各地のメデカルコントロール協議会や消防本部の主催する研修会、関連学会等で講演等を頻繁に実施しています。国や自治体の設置する委員会委員も数多く拝命してきました。
主著として『病院前救護をめぐる法律問題』、『救急活動をめぐる喫緊の法律問題』、主編著として『救急活動の法律相談』等があります。
(学歴)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業
慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学
(職歴)
杏林大学社会科学部助手、専任講師、助教授を経て教授
大学院国際協力研究科教授を兼ねる
ロンドン大学高等法律学研究所訪問研究員(1997~1998年)
現在 香川大学客員教授
(学会役員歴)
オーストラリア学会副代表理事
日本航空医療学会評議員
日本病院前救急診療医学会理事
(社会における主な活動歴)
東京消防庁消防行政特別協力賞(平成11年)
総務省消防庁救急業務あり方に関する検討会委員
東京都メディカルコントロール協議会委員
東京消防庁救急懇話会委員
横浜市救急業務委員
さいたま中央地域医療事故対策委員
山形市救急業務あり方検討会委員
茨城県北部地域医療顧問
東京都大学サッカー連盟評議会議長・東京都サッカー協会理事
単著
『病院前救護をめぐる法律問題』(東京法令出版、平成18年)
『テキスト 救急活動をめぐる法律問題』(荘道社、平成20年)
『救急活動をめぐる喫緊の法律問題』(東京法令出版、平成26年)
編著
『救急活動の法律相談』(新日本法規出版、平成22年)
『刑事訴訟法入門』(八千代出版、平成23年)
DVD
『救急隊員に必要な法律基礎知識』 (新日本法規出版)
『救急活動の法律相談シリーズ 全6巻』 (新日本法規出版)
