第17回橋本塾開催にあたってのメッセージ
「消防本部内で 市民の間で 救急隊員が魅力ある、憧れの 職種 と思われるために」
今、救急隊員の皆さんは、新型コロナウイルス感染者の未曽有の増加と熱中症傷病者の増加の影響で救急要請が増えている上に、搬送先受入医療機関の選定に困難を極めており、搬送件数増加と搬送時間の延伸、受入先医療機関がないために不搬送になる事案等で、疲労困憊されておられることと拝察いたします。しかも、猛暑の中感染防止服を着用して汗だくになりながらの活動で。
救急隊員自身も陽性者・濃厚接触者になることも少なくなく活動可能な救急隊員が減少している中で、予備の救急車を投入し、他の職に就いてる救急隊員経験者まで配置換えして対応に当たるなど、もはや「限界」、「災害時対応」と言い得る状況になっています。市民は救急隊員に感謝する者ばかりで、皆さん頭の下がる思いで活動を見守っています。
一方、そうした状況が背景にあることもあり、各消防本部から出される「救急車のコンビニ利用」についての市民広報にも、取り立てて反対意見を声高に述べる人はいなくなってきています。対応には遅きに失した感はありますが。
救急隊員は、市民からすれば「尊敬に値する職種」になってきています。しかし、翻って消防本部内での救急隊員に対する見方は、「尊敬に値する職種」かもしれませんが、過酷で危険な職種で、「労多くして」と評価されがちです。
実際に全国各地の消防本部に伺って時折耳にするのは、救急隊員になるのは消防に勤務する以上当たり前のことであるが救急救命士にまではなりたくない、救急救命士の資格を得て消防に就職したが正直救急隊員にはなりたくない、というものです。また、エルスタ九州以外で実施されている各地の指導救命士研修に伺うと、そこに参集している研修生のうち、指導救命士になりたくて積極的に希望して来ている者はほとんどおられないのが実情です。
何故、部内で、救急隊員、救急救命士、指導救命士は、魅力的な憧れの職種でなくなっているのでしょうか。
このままでは、日常の救急活動の士気が上がらず、紛争案件が増える虞があります。紛争予防法学の視点から、等閑視できない状況といいえます。少なくとも、部内で、あるいは消防を目指す若者に、救急活動及び救急隊員が魅力のある憧れの職種に思われるようにするためにはどんなことが考えられるのかを考えておく必要があります。
時代とともに消防吏員の資質も変化しています。「かっこいい」、「憧れる」という市民感覚も変化してきています。そうした背景事情も踏まえて検討する必要があります。かつて、あるテレビドラマを通して、ドクヘリという活動が市民に浸透し、そこに働く医師や看護師、機長は、かっこのいい職種になっていきました。フライトナースという言葉も広まりました。そして、今や、グランドナースという概念も生まれています。
9月の塾では、「消防本部内で 市民の間で 救急隊員が魅力ある憧れの職集と思われるようにあるため」には、どうしたらよいのか。仲間を増やすにはどうしたらよいのかを、救急隊員の皆さんと考えてみたいと思います。是非ご参加ください。
